サイトデザインを変更しました。

アニメーターになる方法

ここにたどり着くということは、恐らくあなたはアニメーション制作の入り口に立たれています。アニメを見て感動をすると、おのずと作り手の事が気になりますよね。そして、アニメを作る人たちがアニメーターと呼ばれていることを知ります。

そこまでは簡単に調べが付きます。ですが、そこからはどうでしょう。本やWEBなどで、いろいろなことばで説明されていますが、実際にどのような仕事なのかイメージするのは難しいと思います。なぜなら、大抵アニメーションの制作方法を説明しているからです。実は絵が上手に描けることが大前提で、そこがとにかく難しいのです。その上にアクションという要素が加わります。

アニメーターはすごいと思いつつも、画面に映る簡略化されたキャラクター達を見て「もしかして自分でもこれくらいは描けるんじゃないか」と思ったりしていませんか。私はそう思っていました。今アニメを見ていてもそんな気がしてしまう時があります。ですが、そんなはずはありません。難しいことを簡単に見せるのがプロの仕事です。裏側でとてつもないことが行われています。

私がアニメーターとして働いた経験から、スタート地点から甘い気持ちは捨てて、真剣に準備を進めることが大事だと伝えたかったのがこのブログをはじめた理由のひとつです。大変な仕事ではありますが、楽しいことも沢山あるので、少しでも興味のある方は是非アニメーターとして働くことを検討してみてください。

アニメーターとは?


複数の絵を適切なタイミングで切り替えることで、画面上に一連のアクションを作り出す仕事です。キャラクターに命が宿ったような演技をさせたり、自然現象を表現することもできます。

※ひと口にアニメーターといっても色々な種類があるんですが、ここでは手描きアニメーションの、作画を担っているアニメーターについてご紹介します。

アニメーターの作業は分業です。一枚の絵が完成するまでに複数人の手が加わります。それぞれの担当者が適切に役割を果たすことで、ひとりでは到底作り出すことのできない数、そしてクオリティの絵を作り上げることができるんです。

作品全体の絵柄を統一する「作画監督」、アクションの根幹となる部分を作画する「原画」、原画素材をトレスして、原画トレスの間に入れる絵を描く「動画」など。

私はアニメーターになれる?


答えは簡単です、なれます。

これまで受けた質問で結構多かったのが「自分がアニメーターになれるのか」という内容でした。正直、場所を選ばなければアニメーターとして働くことは難しくはありません。常に人手不足ということもありますし。

ただアニメーターとしてのスタート地点に立つことは簡単でも、そこで役に立ったり、生活していけるかは別の事です。学生の頃などは「なる」ことを目標にするのではなく、上手いアニメーターになれるように、より先を見据えて目標を立てておくのがいいと思います。

アニメータになるための進路は?


いちばん多いのはアニメーション専門学校や美術系大学に通ってから就活するパターンです。制作会社によっては養成所があったりするので、そこに通う方もいます。だからと言って、その方法でないと難しいというわけではありません。美術系でない高校や大学から、又は別の職に就いていたのを辞めて来られる方もいます。

学校に通わないでどうやって学べばいいんだ?と思う方もいると思います。それが割と独学でもなんとかなったりします。また今は現役のアニメーターの方が、有料で教えてくれるような場所もあるので、まずはそこに参加して職業体験してみるのもおすすめです。

自信がついたら、制作会社の募集に応募して作品(ポートフォリオ)を見てもらいましょう。場所によっては実技試験を行い、合格すればアニメーター生活がスタートです。

基本的にアニメーターとして働き始めることは難しいことではありません。会社によって求められる画力のレベルが一定でないので、心折れずに沢山受ければ、どこかには入れると思います。資格などは必要としていませんが、今の時代アナログとデジタルどちらでも絵が描けるようにしておくと幅が広がると思います。紙を使った制作はまだ続いていますが、どんどんデジタルに移行されているので。

アニメーターになれる年齢は?


学校を卒業した人や、一般企業を辞めてこられる方もいるので、年齢の幅があります。養成所などは25歳までなどと制限がありますが、その年齢を超えていたとしても、それ以降はなれないというわけではありません。

SNSなどで作品を掲載することで、仕事の依頼が来るようなこともあるので、本人がこだわらないのであれば、何歳であっても作品に関れる機会があります。

アニメーターに求められる能力は?


求められる技術は多く、どこかで終わるものでもないです。どんな絵でも描けるようになるということは、この世界に起きていることを何でもかんでも理解して、吸収していかなければいけません。終わりのない研究と言っても間違いじゃないと思います。

アニメーション

自分の求める動きをイメージして、それを分解して絵に落とし込める能力です。アクションに説得力を持たせるには力学の理解が必要。

デッサン

立体的に見える絵を描ける能力です。対象物の形を理解して、光の当たり具合で凹凸を表現します。

解剖学

対象の構造を理解する能力です。内部を知ることで、初めて表層に起きている現象を理解をできます。

空間把握(パース)

平面に奥行きを持たせる能力です。アイレベル(目線の高さ)や消失点を設定して空間を作り出します。

画面構成(レイアウト)

対象物を適切な位置に配置できる能力です。その空間に存在するものは同じでも、配置によって受ける印象が全然違ってきます。

模写

絵を各種設定資料に合わせて似せて描く能力です。限られた資料から様々な状況を描く必要があります。

洞察力

日ごろ目にする情報を観察し理解する能力です。知り得たことを絵に落としこむことで説得力が生まれます。

アニメーターの仕事内容は?


様々な設定どおりに、求められる絵を描く作業なので結構ガチガチに固められています。基本的にそれぞれの個性は抑えて、全体のトーンを合わせる必要があります。スーパーアニメーターのように自分の味を画面に出せるような方は特殊です。公式に従って答えを出す数学のような作業にも感じます。

絵の練習をしていた時のように、自分の好きなキャラを好きな角度で、好きなシチュエーションで描く作業とは全く違うということを知っておいてほしいです。

第一原画(レイアウト)

絵コンテと設定画をもとに、場面設計(レイアウト)や動きの設計(ラフ原画)を描きます。タイムシートで、原画を表示させるタイミングや特殊効果を指示します。

作画監督

レイアウトやラフ原画の上に紙を重ね、必要な個所を修正します(作画監督修正)。作品や、話数単位で絵のトーンを統一します。次の第二原画が作成した(原画)に対しても修正を加えます。

第二原画

ラフ原画と作画監督の修正を合わせて(原画)を作成します。次のステップの動画が作業しやすいように参考を加えるようなサポートもしたり。

動画

原画を作画監督の修正を合わせて、トレス(クリンナップ)します。また、動きをなめらかにするために、原画と原画の間の絵(中割り)を描きます。

アニメーターの生活は苦しい?


仕事の時間以外も、画力を高めるために日々の訓練が必要です。真面目に向き合うほど、自由になる時間は非常に少なくなります。

よく話題になりますが、基本的に給料は高くありません、その理由としてほとんどがフリーランス(個人事業主)として契約をしているからです。固定給でなく出来高の場合が多いです。そのため、特に働き始めは作業内容に慣れるまでは薄給となります。その時期は親の援助を受けたり、事前に貯金をしておくことで乗り切りましょう。

新人アニメーターの状況は?


絵を描くことの難しさや、作業時間の長さ、薄給であることから辞めてしまう人がすごく多いです。新人の段階で8割が辞めてしまうとも言われています。どんな仕事でも同じことですが、最初は慣れないことばかりで緊張が続きます。作業を繰り返し進めるうちに必ずコツをつかめてくるので、難しさも楽しむような気持で頑張ってください。

このサイトについて


アニメーターについて一般的に言われている内容をまとめてみました。ここでは、私がアニメーターになるまでに、そしてなってから実際に経験したことをまとめています。そのため一般的な説明とは違うこともあります。

初期はブログとしての更新でしたので、まとまりのない構成になってしまっているとは思いますが、当時に書いた気持ちをそのまま残してあります。

アニメーターについてはネガティブな情報が多いですが、それを吹っ飛ばすくらいの達成感を感じたり、面白いことも沢山ある仕事であることは保証します。少しでも志望される方の助けになれば幸いです。

タイトルとURLをコピーしました