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セル画について

十数年前にはアニメーションの制作の工程に組み込まれていたセル画作成。現在はデジタルに移行されてセル画は生まれなくなりました。

しかしアニメーションの歴史から考えても、まだまだセル画使用期間の方が圧倒的に長く、今でもアニメーションというものを語る上で重要な要素となり得るのではないかと思います。

そんな中ふと、セル画で制作されたアニメと、デジタルで制作されたアニメの違いについて考え出しました。

デジタルアニメーションとの一番分かりやすい違いは、彩色時点まで生きている線の強弱だと思います。現在は、仕上げ作業との兼ね合いのため、動画は一定の太さの線での作業を求められます。セル画を見てみると、非常に多種多様で生き生きとした線が表れていました。

また、セル画は撮影時にカメラとの間に空間が生じるので、その間を通る空気の存在による遠近感や、揺らぎによる自然なテクスチャがかかっていました。

ディズニーでは制作をデジタルに移行した時、その効果を再現しようと試みたようですが、手間が非常にかかる上に、観客がその点にこだわっていないように感じて止めたようです。

現在アニメに携わっている人の多くは、セル画時代にアニメーションを作っていた・セル画で作られたアニメーションを見ていた人たちだと思います。

いまや存在が薄れつつあるセル画というものを、もう一度掘り起こしてみるのも、なかなか面白いのではないでしょうか。

今回調べ始めて分かりましたが、セル画に関する本というのは非常に少ないと思います。版権の問題なのかもしれませんが、少し悲しく感じました。というのもセル画には寿命があり、約100年と言われています。そのうち存在意義が見出され、何らかの対策がとられたとしても、その時には大切な部分が欠落しているということにならなければいいなと思います。

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