二原(第二原画)とは、ラフ原(第一原画)とその上に乗った修正原画を合わせて、動画スタッフが作業できるように整える作業です。
体験談
動画作業にやっと慣れて、毎月一定の枚数をこなせるようになってきた頃に、声をかけられます。二原(第二原画)やってみようか。
ひと通り二原作業の説明を受けて、最初だしと枚数の少ない数カットを渡されました。
一瞬嬉しい気持ちもあるんですが、すぐに不安な気持ちの方が勝ります。そして不安だけになります。
まず線が引けない。
今まで使ってきた動画用の線はNGです。なぜなら動画の線はトレスが難しいとのこと。じゃあトレスしやすい線とはどんなだったっけ。今までどんな線をトレスしてきただろうか考える。
複数枚あるラフ原のうち、一枚のみに修正が入っていて、 他は合わせで の指示。これに関しては、修正とその先のラフ原をパタパタすると角度を変えた完成形もなんとなく見えて来た。動画作業が役に立った!頑張って良かった。
他には、とにかく自分の裁量に任される部分が動画より多くて、迷う、迷う、迷う。影を追加したり、動画で難しくなりそうなところは参考を入れたり。
最初に動画を経験した時と同じ、今いくら描き直そうと、実力はそんな簡単には変わらない。スケジュールもあるので、いろいろ足りないのは分かっていても、なんとか形にして重い足取りでチェックへ向かいます。
動画でちょっと自信がついてきていた分、ここで一回折れます。あー全然ダメなんだな、自分は下手なままだと。動画をやってると自分が絵が少し上手くなった錯覚に陥るみたい。
特に怒られたりしたわけではないですか1人で勝手に沈みました。
でも、最初の作業が終わっての帰り道なんかはじわじわ嬉しくなって来るものです。これまでの仕事が評価されて、ひとつステップアップ出来たんですから。
新しい作業は、怖いし、自分のできなさ加減に落ち込むけこともあるけど、まだ面白い部分が見えてないだけだと思い、気にせず反復練習に励みましょう。
作業手順
素材のチェック
絵コンテでどのようなシーンなのか、キャラ表でどのようなデザインか確認します。デザインが違ったりパーツ抜けなどがあれば、早めに見つけて潰しておきます。人間のすることなので、意外と違うシーンの衣装だったり、不要なパーツが描かれていたり抜けていたりすることがあります。
修正が乗っているラフを仕上げる
作画監督修正が入っている部分をまずは仕上げます。動画作業と違って、修正もラフめの場合が多いので、足りない部分はキャラ表や修正集などを見ながら補完します。完了後はラフ原、修正原画などを再確認して、指示通りに作成できているかチェックします。後から見つかるとすべての原画に対応が必要になってしまうのでここでしっかりチェックします。
修正が乗っていないラフを仕上げる
残りのラフ原を、上で完成した原画のテイストに合わせて描いていきます。パースはレイアウトで確認して、違和感の出ないように仕上げます。動画作業の振り向き作画ができるようになっていれば、その応用で角度の違う絵はある程度描けるはずと思います。
ラフのない部分を仕上げる
ラフ原が無くても、動画スタッフでは作画が難しくなりそうな部分には参考原画を追加します。動画スタッフが戸惑わずに作業を進められるので、完成画面も安定します。
動画スタッフへの連絡事項を書き込む
中割りのタイミングやセル分けの指示、その他注意事項を書き込みます。とにかく後の作業が円滑に進むように気を付けます。自分が動画作業をしていた時に、してもらって助かったことを思い出してみましょう。
出来上がる素材
▼参考動画