この度、Amazonのリンクから商品を購入してくださった皆さんのおかげで、購入に使用できるポイントまで貯まりました。せっかくなので、ブログで紹介できる内容の本を買おうと思い、悩んだ挙句「アニメビジネスがわかる(増田弘道)」に決めました。
著者は2005年まで株式会社マッドハウスの代表取締役だった方で、内容も信憑性が高いと思います。
実際に、他では知りえないであろうデータがてんこ盛りで、特に前半の金銭的な情報は作画畑にはなかなか伝わってこないものなのではないかと思います。とはいえ、あまり詳しく記事にしてしまうのも問題なので、かいつまんで紹介したいと思います。
全六章中、前半三章が金銭的なデータを参照した市場の解説となっています。
第一章 産業としてのアニメ
TVアニメ・劇場アニメ・OVAアニメの製作規模・製作費市場
第二章 アニメコンテンツの利用のされ方 一次利用市場
TVアニメ・2005年度劇場アニメ・OVAアニメ放送市場
第三章 アニメコンテンツの利用のされ方 二次利用市場
ビデオグラム市場
2005年度製作アニメ二次放送市場
自動公衆送信市場(インターネット・携帯電話等)
ちなみに「製作」とは「作品を作らせること」の意で、法的に作品に対する発意と責任を持つ立場にあるもの。「制作」とは監督以下の実際にアニメを作っている立場にあるものとあります。現場にいても、この使い分けをはっきり理解しておく事は必要です。このような用語解説は非常に的を得ています。
この三章に関しましては、製作者と制作者に関わってくる金銭の流れを推察も交えて解説されています。某会社が流出させたデータと見比べても、かなり近い数値を表していたりして、信用できる内容だと感じました。
後半三章は、アニメ産業の特徴についてまとめられています。
第四章 アニメ産業発展の秘密
なぜ日本のアニメは伸び続けるのか・日本アニメの成長の秘密
第五章 アニメ産業の問題点
日本アニメの問題点
第六章 アニメソフトパワー論
アニメソフトパワー論・戦略的アニメソフトパワー論
世界が3Dアニメへと流れていく中、2Dアニメは日本の伝統工芸として認識され始めている。韓国には全寮制の公立アニメーション学校がある。プロデューサーの役割に対する世間の認識の低さ、またプロデューサー(実力のある)の人材不足。等が印象的でした。
参考資料・文献を見てると、知らなかった本もあり、次に読んでみたい本も増えました。このようなリンクがつながっていることは、詳しくない者には非常に助かります。
ちなみに著者ブログにも興味深い内容が書かれており必見です。
http://anime.typepad.jp/
いや、本当に読めてよかった。
あと2回は読みます。